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心の病や症状など

強迫性障害を治す

 以下に紹介する手記は、強迫性障害(OCD)で苦しんでおられる方々の役に立てばと願って書かれた体験談です。彼はOCDとはどんなものかの知識が無いまま、ある症状で苦しんでいるのを取り払いたいと相談に来られた30代男性です。正直言って、OCDの症状を理解してもらうのに始めは苦戦しました。しかし段々と心が切り替わっていき、病を正しい知識と理論の下で乗り越える努力を真剣に取り組み始められたことで解消していきました。彼は、「このメッセージで、諦めかけている人に、希望があることを伝えたい。できることなら、自分が何らかの形で人の役に立ちたい」と、切に願っておられます。

手 記 

 治療開始前の私の状態ですが、頭から気になる事が離れず、絶望感、不安感、恐怖感、緊張感、こうしたものが常にありました。仕事も転職を繰り返し、友人もいなくなりました。こんな毎日が10年くらい続くうちに情けない卑屈な人間になってしまいました。

 初めて催眠療法を受ける時は内心なるべく少ない予算で治して貰えたらなぁ、魔法のようにたちまち心が楽になれるんだと期待感で一杯でした。しかしなかなかラクにならない、先生がもう大丈夫だと言ってくださっても信じられない。だんだん色々な疑念が浮かんでくる、やはり私だけ治らない? 用意した予算内では無理か? 長引く場合、治療費を稼ぎだせる気力があるだろうか?

 10回目くらいの治療の時についに腐ってほとんどヤケになって『全然ラクになりません!』と叫んでしまいました。これ以上続けても無駄か?もう諦めよう他に探してみるか、帰りながらそんな事を考えてました。

 しかしやめたところでまた、ただ悩み苦しむ毎日、今まで投資したお金も無駄になる…。

 それに何よりも先生の気持ちを裏切る事になる。私が投げやりな態度で訪れ、先生の話もうわのそらでいた時も先生は毎回必死で治療し、『諦めないで』と優しく帰りに見送ってくださった。

 自分の事で相談に来ているのに当の自分が諦めかけていたら先生がどんなに頑張って治療しても治る訳がない。先生も必死なんだから自分はもっと真剣にならなければと考え直し、やはり続けて行こうと決心しました。それからは、ただ受け身の姿勢から態度を改めて絶対に治るんだと念じながら治療に臨みました。

 治療があった日は家に帰って先生の話を思い出しながらノートにまとめていきました。これからの私の生き方の提案について、私の病の対策についてなど。そして、いつまでも先生に頼るのではなく自己催眠の指導も受け自分でも治していく事にしました。

 治療が済んでもしばらくは条件反射で不安になる事もある。強迫観念だから、またこだわってしまい苦しい時もあると言われていて、その通り本当に治ったのかと心配になる日もありました。そして3ヶ月くらい経ったある朝、治ってる実感を明らかに感じました。それは目が覚めてとても爽快な気分だった事です。今までのモノ凄い不安感が起こらないのです。戸締まりなどの確認行為も一回で楽に済み思い出しても軽く流せる。対人関係も異常なほどの緊張もなく落ち着いて話せる。
 こうなると面白くて加速がつき、どんどん良くなろうと自己催眠も励みます。
治療だけでなく様々な願望を叶える事にも役立ってます。ひと月毎に確実に良い方向へ変化しているのがわかる。子供の頃から自分を罵ってばかりいたのが自然と意識しなくてもプラス思考になりました。

 乗り越えた今皆さんに伝えたい事は、諦めなくて良かった、マインドサイエンスを選んで良かった、ということです。病気の治療だけでなく生き方や考え方まで修正して頂き、今まで諦めてきた事に挑戦してます。本当に幸福感を味わって生きてます。

 これからも私の人生にはいろんな困難が待ち受けているでしょうが、井手無動先生の教えが壁を突破させてくれる、私は凄い人に出会え学べたんだと誇りに思っています。

 だから今諦めようか迷っている方へ、今しばらく耐えしのぎましょう。様々な心の病や問題と決着をつけましょう。見事に乗り越えて充実した人生を歩んで下さい。