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催眠療法とは心の病を治すための優れた療法だという信念を私は持っています。しかしながら、催眠をかけて暗示の力だけで治していこうとする古典的な催眠療法では、現代の環境の中で心の病に至っている私たちの心は癒せないのです。
それは何故なのかという事と、催眠療法の手法は現代の私たちにこそ本当に価値ある療法なのだということ、その価値とは何かということを説明します。
 たとえば、現代のストレス社会の中で私たちはあがいていま。その結果うつ病になり、心療内科に通い薬を飲むことで治ればいいのですが、中にはいつまでたってもなかなか治らずに段々とひどくなって苦しんでいるとしたら・・・。sakura.jpg
 発病し初期の段階で投薬治療を初め、その結果長引くばかりで治らない時は、病気の背景にトラウマが絡んでいると考えてください。人の無意識の領域からの病気を作り出す働きはトラウマばかりではありませんが、本人や周りの人には意識されていない、病気を作り出している原因(トラウマ等)があるのです。
 私たちは何かのストレスにさらされたとき、身体に起こるストレス反応の主なものは二つあります。ひとつは、自律神経系の反応。もうひとつは、内分泌系の反応です。一時的なストレスは、自律神経系(ANS)で処理されますが、生活の中から生じる長期にわたる解決しがたいストレスは、慢性的ストレスと呼ばれ、長く続けば内分泌システムの反応が身体や脳の健康にとって有害なものになってきます。

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何故、同じストレスにさらされていても、心の病が発症する人としない人がいるのでしょう。
その答えを見つけることは、そこに心の病を治すことのできるヒントが隠されているのです。
一般的にあるストレス環境にさらされた状態で何らかの症状が出た場合、その症状を作った原因をその時のストレスとみなし、そのストレスが、心の病の発症原因と表現され、勘違いされることが多いと思います。
しかしながら、同じストレスでも、誰もが心の病を発症するものではないという事実をどのような視点でとらえるかが問題なのです。
その答えは、ストレスの内容というより、そのストレスに反応する個人差に注目すべきなのです。
そしてその個人差には、心の病を発症する真の原因が隠れているのです。
その真の原因こそが、背後に潜むその人独自の個人的なトラウマなのです。
人は、背景に自分独自のトラウマが存在しているのを気付かないまま、それに関連したストレスにさらされ続けると、何らかの心の病が発症することがあります。
ここで大事なのは、心の病の発症原因を、発症当時のストレス環境だと勘違いしているうちは、心の病を治すための答えは見えてこないということです。
何故そのストレスに自分が影響を受けたのかを見つめたときに、その人個人の背後のトラウマと自分を苦しめたそのストレスとの因果関係を見出すことができます。
子ども時代の日常生活の中での長期化した精神的苦痛は、確実に子供の成長過程の脳にダメージを与えていきます。この子供としての苦痛が、脳に深く刻まれ成長後にも抑圧された記憶(トラウマ)として残り、生活の中に反映されます。
ストレスに反応する要因としてもう一つ挙げられるのが、遺伝の問題です。
遺伝要因はストレス環境の中で、OFF状態だったものがONになり影響を及ぼします。いわゆる、あるストレス下に置かれると、どのような影響が出るかという傾向を個人の脆弱性と呼んでいます。
人は子ども時代の環境によって形成される複合的トラウマと持って生まれた遺伝的傾向による脆弱性との絡みで、その人独特の苦手なストレス環境というものが存在するのです。
しかし、人は、そういった事情を知らないまま、自分の知識の範疇で、なぜ自分が心の病を発症したかの原因に関して結論づけようとします。
その過程において、間違った結論に至ってしまい、その間違いを本当だと思い込んでしまうのです。(誤帰属)
人は自分の理解を超えている事柄に対しても、自分の知識の範疇で理由付けし、正当化しようとします。そうして、結局は間違った結論に至っていることが分からないのです。なぜなら、答えが無意識の中にあるのに、意識の世界だけで思考しても正しい結論に至る十分な材料(情報)がないのです。
人は、自分の現在持っている知識と理解できる範囲で、いろんなことに理由付けをしてしまいます。そうして、その不適切な解釈が、自らを混乱に陥れています。