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予期不安とは、パニック発作を経験する全ての人は、脳内のこの混乱した影響で独特の、でも全ての人に共通した交感神経の興奮による身体的・精神的な発作の症状を体験する。
そして、この発作の体験が、どうして起きたのかが理解できないがゆれに再度起きることへの不安(予期不安)が強くなり恐れるようになる。
再発を恐れるがゆえに行動に規制をかけていき、なぜパニック発作を体験したかの理由がわからないがゆえに、行動規制をかけていても不安は治まらない。それゆえに、多くの行動に支障をきたすようになっていく。
心の病全般に言えることだが、ある時期に発症の引き金になる体験をする。その体験が、幼児期からのトラウマと呼べる継続的に苦痛を伴う環境〔出来事〕によって作られた情動(無意識に起こる感情)を刺激する。
幼児期の環境によって学習した心理的体験の中で特に情動に強く影響を与えたものは、条件反射の神経回路が形成される。この条件反射は長期にわたる経験により強化され、ちょっとした条件刺激により過剰な反応を呼び起こす。
 日常生活において、このトラウマが起因した異常な情動反応(感情の表出)が起きた場合、自分では抑制ができなくなる。

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持続されたストレスが長期化すると脳内でどのような変化が起きているのかを簡単に説明する。
長期のストレスは、内分泌系と自律神経系と免疫系の3分野に大きな影響を与えることが知られている。
人はストレスを受けると、まず視床下部からCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)が放出され、それが下垂体に運ばれATCH(副腎皮質刺激ホルモン)が血中に流れ副腎皮質からストレスホルモンと呼ばれているグルココルチコイド(コルチゾールが代表)が分泌される。(内分泌系におけるストレス反応)
さらにストレスが強い場合は視床下部から、中脳の自律神経の中枢に刺激が伝えられ交感神経の興奮が起こる。交感神経の興奮により副腎髄質に刺激がいきそこからはアドレナリンが放出される。その結果、脳内の扁桃体が活性化しノルアドレナリンが分泌される。(自律神経系におけるストレス反応)
トラウマにより形成された情動(感情)が興奮しているときは、情動に深く関係している大脳辺縁系の扁桃体を中心とした場所にCRF(副腎皮質刺激ホルモン放出因子)が大量に作られて、感情が治まりにくくなっている。この場所にCRFが大量に分泌されると理性の場である前頭前野に血流が流れなくなりますます感情が混乱してくる。
情動の働きをコントロールしているのは理性の働きをつかさどる前頭前野で、ここに脳細胞を働かせる血流が流れないということは、理性による感情のコントロールが不能になっているといえる。
さらに、CRFによりCRH、ACTHがストレスホルモン(コルチゾール)を脳内に大量に流し込んだとすれば、そしてそれが緩やかであっても長期に継続された場合、脳細胞に大きなダメージを与えてしまう。
脳内の視床下部では、下垂体から放出されるACTHを常にモニターしストレスホルモン(コルチゾール)の放出量をコントロールしている。しかし、大量のコルチゾールが長期に出続けると、視床下部内のコルチゾール受容体が壊されていき正しくモニターできなくなっていく。そうなるとさらに大量のコルチゾールに脳内がさらされることになり、記憶に重要な海馬の細胞が破壊され始め海馬は萎縮していき、脳内全体のセロトニン受容体までもダメージを受けてしまう。脳内でのセロトニン量が減少してくると、人はやる気が急激に薄れて否定的な感情に襲われ、うつの精神状態に陥っていく。このうつ状態が、心の病をもっと深刻なものへと変えていく。また、ストレスにより、眠れなくなったりすることでさらに脳にダメージが進行し情動系の脳の部位が興奮しやすくなる。ここが激しい興奮をすると理性の場である前頭前野への血流が減少し自分の中で起こっている感情の混乱や不安が適切なものであるかどうかの理性的な判断ができなくなり、混乱した感情や異常な不安に抑制がかからなくなる。
また、パニック発作という急激なストレスに見舞われたとき、自律神経の働きで発生した副腎髄質ホルモン(アドレナリン)は脳内の扁桃体にノルアドレナリンを大量に放出させ、また体内ではアドレナリンによって肝臓でグリコーゲンを分解し生成したブドウ糖を大量に脳に送らせる結果、パニック発作で体験した精神的・身体的苦痛と恐怖の記憶が強烈に脳に焼き付けられていく。(記憶の強化が起きる)パニック発作の体験をその時の環境と感情の両面の状況をしっかりと強固に刻み込む記憶のメカニズムが働いてしまう。
それゆえに、経験したことがない人にはわからないほどの強烈な決して忘れられない体験となっている。それが、予期不安と呼ばれる、再発の不安や恐れといった心理状態が作られ、当時の体験した症状が誘発されそうになる。
パニック発作の症状は、精神面では、理性的な状況判断が出来ない感情が興奮し混乱した状態で、身体面では交感神経の異常興奮による心拍数の増加、呼吸の異常(過呼吸)による身体のしびれやめまい、血圧の上昇など自律神経がコントロールを乱した状態となる。

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子供のときから、両親の感情的な言い争いで心を痛めていた。父親の激しい口調に対し母親も負けずに感情をぶつけ喧嘩していた。物心ついた頃から繰り返される言い争いの中で、母親のことが心配で 母が不満を感じていないか、父と顔合わせたらもめる心配がないかと顔色を伺い常に気にしていた。母に気を使いながらいい子でいようと頑張って育った。
 また、父は大変几帳面で厳格な人だった。つねに夕食時の会話で、人はこうあるべきだという考えや誰かを引き合いに出して評価するのを聞かされていた。
だから、父に対しても、認められるような人間になりたいと思いながらも、無理な自分を責めながら少しでも近づきたいと思い頑張っていた。
 こういった生育環境が成長後の人間関係に反映され、人との関わりにおいて争いを避けるようになった。そのために気を使い自分を出せずにストレスを抱え込むようになっていった。
また、自分が人からどのように評価されているかを過剰に気にするようにもなっていた。人の評価を気にする傾向の強さが、32歳のトラブルで相手から感情的にこっぴどく人格を否定されたショックが心の傷として大きな苦痛とダメージを与えてしまっている。
子供時代のある環境がトラウマとして誰にでも影響を与えるものではない。ある環境がトラウマとなりうるかは、本人が持って生まれた気質に依存する。個人によってトラウマとなる出来事の内容が違ってくる。
環境に対する個人独自の適応を決定する諸要素をさして人格(パーソナリティー)と定義されることがある。すなわち人格は、与えられた情況においてどのように考え、行動するかをある程度予測させるものである。性格(キャラクター)もまた、人格とほぼ同じ意味で使われることが多い。
人格ないし性格を構成する遺伝規定性の強い成分を気質(テンペラメント)と呼ぶ。

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坂本さんが人との交流においてよい関係を維持するために気を使いストレスを抱え込んでしまう傾向の修正をしなければならない。
また、気を使うあまり自ら孤独に追い込んで、それをわかってもらえないことで嘆いて苦しむ心の傾向の修正が必要となる。
幼児期を含めた子供時代の環境で悩みや精神的苦痛を伴うことが多ければ、そしてそれが持続すれば、脳の発達に伴いその経験が学習され認知の傾向として強く脳に刻まれてしまう。この認知は感情を伴うもので、その人独自の感情的反応が生まれていく。この傾向(癖)は他の人には理解されない独自の歪んだ認知傾向として形成される。
そして、何とも言えない不安感を伴う異常な精神状態を作り出したのと、自殺念慮の精神状態は、長期の過剰なストレスホルモンによって脳内の神経伝達物質(脳内ホルモン)の働きが狂い、脳機能の異常が起こった結果だということを理解させる必要がある。脳の機能障害は長期のストレスによって簡単に起こるのだという事実を理解させ、認知の修正によって対人面におけるストレスが生じないようになれば、発作的で止めようがないと思える異常な精神状態は今後二度と起こり得ないということを理解し受け入れさせることで、人前で精神異常が起き周りの人に迷惑をかけるのではないかというパニック発作の予期不安を乗り越えることが出来るようになる。

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