催眠によって過去の記憶を引き出すテクニックを退行催眠(催眠による年齢退行)と呼び、催眠状態を活用した心理療法によく使われます。現在悩んでいる問題や、症状として苦しんでいる心の病をつくっている原因を、過去にさかのぼって見つけ出すための手法です。
トラウマと呼ばれている(心の病の)原因は、記憶上で認識しやすい内容のものは少なく、深層心理学の知識が多少あったとしても、本人が自ら気づけるほど容易なものとはかぎりません。なぜなら、トラウマをつくっている原因となっている出来事(エピソード)は、思い出しにくい状態になっているからです。 これを記憶の抑圧と呼んでいます。人は苦痛となる過去の出来事の記憶を、いつまでも意識上に存在させていたのでは耐えられないのです。ゆえに、記憶で苦しまないように、無意識の世界に追いやって(抑圧して)しまうのです。 この抑圧された過去のエピソードが、たとえば、親との関係であったとすれば、それがトラウマだと本人は認識できない場合が多いのです。それはあまりにも日常的な出来事であり、子供時代の環境として受け入れざるをえなかったからです。子供時代の成長過程の幼い状態において、的確な判断や批判の能力はまだ確立されておらず、自分が受け入れざるをえない状況の中でかまんして過ごしています。それが将来、どのような影響を及ぼす結果を生むかなど、知る由もないのです。
トラウマの原因といっても、明らかに記憶に残っている苦痛や恐怖による単発的な出来事の場合は、PTSD(心的外傷後のストレス障害)と呼ばれる、身体症状が出てきます。
こういった、シングル・トラウマの場合は、原因が明確なだけに対処が簡単で容易だともいえます。
しかし、過去の生活環境に根ざした継続的なコンプレックス(複合的)・トラウマの場合は原因が見えていても、本人の原因認識という点で心理療法が必要になるのです。
親の期待にそわんがために無理に背伸びして頑張っている子供たち、「ぼくはできないんだ!!それは嫌いなんだ!!」と自己主張できない良い子たち、親に自分を認めて欲しい!!もっと評価して欲しい!!もっとかまって欲しい!!もっとよその子みたいに愛されたい!!などなど、心の中で強く願い要求しつつも、時間の経過の中で諦めてきているのです。
その諦める過程の中で、子供なりに理由を見つけ対処をして頑張って気持ちを切り替えて成長してきていたとしても、うまく処理しきれないほどその子にとっては辛く、それゆえに無意識の中に抑圧し、ただただ、目をそむけているしかなかった場合も多いのです。そういった自覚されない無意識の中に押さえつけられているエネルギーは、早ければ思春期の時期に、自覚されない精神的葛藤として表面化することになります。
その時期に表面化しなければ、その後何らかの強いストレスに長期にさらされた時に表面化し、心の病として発症するのです。
トラウマをしっかりと探り出し、本人に自覚させる心理療法と共に、トラウマとなっている過去の出来事や当時の精神的苦痛を客観的に捉え直し、もう一度冷静に当時の状況を見つめ直し、子供であったからこそ理解できなかったことや、親たちの性格や、当時の親の立場による精神的状況を理性で考慮したとき、そうして、適切な心理療法を行うことで現在の理性が理解し納得すれば、感情(情動)も過去の苦痛を仕方なかったこととして納得できるようになるのです。その結果、情動系に刻まれたトラウマは穏やかな過去の記憶として処理されるようになり、無意識がつくりだす心の病としての症状も、精神的苦痛も治るのです。
これまで薬を飲んだりカウンセリングを受けたりと、
あらゆる民間療法を試されて、たいして効果がなかったとしても・・・・・・。
マインド・サイエンスの催眠療法はあなたを救う理論と能力を持っています。
今の苦しい自分とうまく付き合って生きていく必要はないのです。
あなたがこれまで遠回りしてしまったとしても、
マインド・サイエンスの催眠療法を最後に信じてください。
同じ催眠療法でも何が違うのか、
それは、心を癒す心理療法の違いなのです。
心は暗示を与えるだけで変化してしまうほど単純ではないのです。
なぜなら、現在の脳科学で解明されてきている意識・無意識として脳内での働きの分化された脳の活動が、ヒトの心を生み出しているのです。
ヒトの心を調節するには、無意識にだけ働きかけたのでは不十分なのです。
ゆえに、
催眠療法家としての能力は、無意識への働きかけと、意識への働きかけの両方の技量や知識における総合的資質と培われた経験が問われているのです。